利上げ、バランスシートの縮小で米国株は暴落するのか?

投資全般

 米国の利上げ、バランスシートの縮小をすることで、株価にどれくらいの影響があるのかを検討します。当記事を読むことで、今後の戦略が立てやすくなります。

金融緩和(政策金利の利下げ、量的緩和(QE)

株価

 コロナ直前の米国の政策金利は約1.75%でしたが、2020年コロナによる景気減速を防止するため、政策金利を0%~0.25%に引き下げました。また、FRB(アメリカ中央銀行)は、金融緩和として、債権等を購入することにより、市場に出回るお金の量を増やしました。
 コロナ問題が浮上したことにより、2020年3月24日には、S&P500が約34%暴落。しかしながら、金融緩和により、株価は急回復をみせ、2020年8月頃には、S&P500コロナ前の株価に戻り、その後も上昇を続け、2022年1月4日には、S&P500の株価は「4818ドル」まで上昇しました。このように金融緩和により、コロナ後の最安値(2020年3月24日)の株価(2191ドル)から、2022年1月4日の株価(4818ドル)まで、2年足らずで、約2.2倍上昇しました。

経済

 コロナによる米国の経済の状況を確認していきます。非農業部門雇用者数、失業率はコロナ前には戻っていないものの、十分回復をみせており、実質GDP、ISM景況感指数、消費者物価指数は、コロナ前を上回る水準となっています。このように、米国経済は力強い回復、成長を見せています。

金融引き締め(テーパリング、利上げ、QT)

 米国は、経済、株価とコロナ前の水準に回復、それから上回る成長をみせました。そして、今度はインフレ懸念が生じています。米国の2021年12月のCPIは7.0%(前年同月比)となり、約40年ぶりの高値となっています。

インフレとは「お金の価値が下がって、物の値段が上がること」

 経済の回復、インフレは、金融緩和によるものであり、このままずっと続けるわけにはいきません。今度は、量的緩和により積みあがったFRBのバランスシートをみてください。2020年から急激に保有資産残高が増加しています。量的緩和により、約4兆5000億円以上も保有資産残高が増加しています。リーマンショック(2008年)の際も、量的緩和が行われ、保有資産残高がかなり増加しましたが、今回のコロナショック(2020年)は、量的緩和のスピードや量が尋常ではありません。

 十分に回復して経済、インフレ抑制のため、FRBは、2021年11月からテーパリングを開始しました。

テーパリングとは「量的緩和の縮小」のこと

 つまり、債権等の購入量をこれまでよりも減らしていくことです。これは、2022年3月には完了予定であり、2022年3月15~16日のFOMC(FRBが開く会合)で政策金利の利上げが発表される予定です。そして、最終的にはバランスシートの保有資産残高の縮小。つまり、景気減速を防止するため、債権等を購入し、市場に出回るお金を増加させましたが、今度は景気の過熱を抑制するため、債権等を売却し、市場に出回るお金を減少させていくことになります。市場に出回るお金の量が増えたので、株価が強く上昇をしましたが、市場に出回るお金の量が減少したら、株価が暴落する危険性があります。
 経済、株価への影響を考慮しながら、金融引き締めを行っていくことになりますが、それでも、影響は免れないと思います。

リーマンショック時の金融引き締めと株価

 未来のことは誰にも分かりません。専門家の予想と結果を確認してもらうと分かりますが、豊富な知識をもってしても、株価の推移をあてることはできないのです。未来のことは誰にも分かりませんが、過去のことは分かります。過去がどうだったのかを確認することで、今後の流れが少し見えてきます。そこで、直近の暴落であるリーマンショック時の状況を確認していきます。

リーマンショックは最大42%の暴落(S&P500)

 リーマンショックは最大42%の暴落をしましたが、金融緩和により、今回のコロナが生じるまで、上昇を続けました。それでも、金融引き締めの際は、株価の調整があり、S&P500は最大20%の暴落がありました。

 それでは、金融引き締めの内容と株価の推移を確認します。

 2015年12月より、FRBは利上げ(政策金利)を開始しました。この際、S&P500は約10%下落しました。2016年12月に利上げを再開しましたが、この時は株価の影響はさほどありませんでした。

 2017年10月~2019年8月末までバランスシートの縮小を行いました。こちらの方が影響が強く、S&P500は最大約20%暴落しました。ここで注目してもらいたいのは、利上げの時は、利上げ開始時にもっとも株価を下げましたが、バランスシートの縮小時は、開始時よりも、開始してから約1年経過後の2018年12月頃に20%暴落していることです。株価は半年から1年先のことを織り込みと言われているが、バランスシートの縮小から約1年後に暴落しています。2017年10月から開始したバランスシートの縮小は、全8期間にわたり実施されました。最初は毎月100億ドルの縮小からはじまりましたが、200億ドル、300億ドル、400億ドル、500億ドルと徐々に縮小の幅を広げました。そして、2018年に株価は最大の落ち込みをみせました。2019年からは株価は急回復しましたが、これは2019年からは縮小を月400億ドルに減らしたことが影響していると思われます。そして、2019年8月末にバランスシートの縮小が完了しました。合計7000億ドルFRBの保有資産残高を減少させました。

コロナショック後の金融引き締めと株価

 リーマンショック後の金融引き締めによるS&P500の下落は最大約20%でした。今回のコロナショック時は、リーマンショックから積みあがったFRBの保有資産残高が、更に急激な勢いで積み上がり、8兆8678億ドルまでに達しています。2020年の時点でも、先進国の公的債務残高はGDP比で、1946年の第二次世界大戦の時を超え、過去最高となっています。

 今回、FRBのパウエル議長は、利上げとともに、バランスシートの縮小も行う予定であると述べられています。リーマンショック時は、利上げ開始~バランスシートの縮小まで約2年の期間がありましたが、今回は、利上げ開始~バランスシートの縮小まで期間をあけずに行われそうです。また、バランスシートの縮小はリーマンショック時は7000億ドルでしたが、今回は、大幅に縮小すると述べられています。

 今回の金融引き締めは厳しいことになりそうです。ウクライナの問題、中国の不動産の問題など、色々ありますので、S&P500はリーマンショック時の20%よりも、暴落するかもしれません。

まとめ

 リーマンショック時の金融引き締めを参考にすれば、S&P500は20%程度の下落はあるものの、一時的なものであり、反発し、長期的には株価は上昇を続けたため、コロナショック時も暴落は一時的なものとなるかもしれません。その場合、20%程度の暴落は絶好の買い場となります。しかしながら、コロナショック時はFRBの保有債務残高はリーマンショック時の2倍以上に膨れ上がっており、また、利上げ開始からバランスシートの縮小までの期間も短くなりそうなど、異なる点もあります。株価の下落が一時的なものであれば良いですが、長期間に下落トレンドが続く可能性も考えられます。今後の戦略をたてるのに役立てれば幸いです。

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